野菜の性質を知りましょう | |
同じところに同じ野菜を連作していると生育が悪くなったり、特定の病気が発生します。これを「連作障害」といいます。同じグループの野菜を続けて栽培すると、連作障害が起こりやすいので、「科」のちがう野菜をうまく組み合わせて栽培しましょう。
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連作障害を防ぐため栽培しようとする野菜は何科に属するか、またどんな野菜と親類なのかを理解しておくことが大切です。
たとえば、ナス科にはナス、トマト、ジャガイモなど、ウリ科にはキュウリ、スイカ、カボチャなど、アブラナ科にはダイコン、ハクサイ、キャベツ、カブなどがあります。同じ科の野菜を続けて栽培しないようにします。
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野菜の生まれ故郷を原産地といいます。現在の野菜は、野生の植物を品種改良してつくられたものです。このため、その野菜の原種が自生していた地域(原産地)を知ることは、その野菜の性質を知る上で重要な手がかりとなります。
たとえば、ナスはインド原産で、生長には比較的高温が必要で、最適温度は20〜30℃です。トマトは南アメリカのアンデス山脈が原産地で、強い光を好み日当たりのよいところで育ち、比較的乾燥に強い野菜です。キュウリはヒマラヤ地方が原産地といわれ、夏季でも比較的涼しい気候を好みます。
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野菜栽培にはその野菜に適した温度が必要です。野菜が生長するのに最も適した温度のことを「生育適温」といいます。
野菜全体の生育適温はおおよそ15〜25℃です。トマト、ナス、キュウリ、スイカ、カボチャなどの春夏野菜の生育適温は18〜26℃で、ダイコン、ハクサイ、キャベツなどの秋冬野菜の生育適温は10〜18℃です。
住んでいる地域の四季折々の温度と野菜の生育適温とを比べながら、タネまきや苗の植え付け時期を決めることが大切です。関西の平坦部では、春夏野菜のタネまきは桜の花の咲く頃(大阪では4月初め)を目安にし、苗の植え付けは、霜が降りる恐れが少なくなった4月末〜5月上旬(いわゆるゴールデンウイーク)におこないます。
野菜は光合成によって炭水化物をつくらなければ生長できません。そのために、光(太陽光線)はなくてはならないものです。
野菜栽培には、基本的によく乾燥し日光の当たるところが適していますが、畑によって日当たりや乾燥状態はまちまちです。このため、その畑の日当たりや乾燥の状態に応じて、栽培する野菜の種類を選びましょう。
強い光が必要な野菜としてトマト、ナス、ピーマン、オクラなどがあり、比較的強い光が必要な野菜として、キュウリ、カボチャ、ニンジン、ホウレンソウなどがあります。弱い光線を好む野菜ではミツバ、フキなどがあり、比較的弱い光線でも育つ野菜として、サトイモ、ネギ類、アスパラガス、レタスなどがあります。
また、多湿に強い野菜と弱い野菜とがあります。多湿に弱い野菜には、サツマイモ、ダイコン、ネギ類、トマト、カボチャなどがあり、多湿でも比較的強い野菜には、ナス、タマネギ、サトイモ、フキなどがあります。
多湿に弱い野菜には排水対策をきっちりおこない、畝を高く(高畝栽培)することが必要です。