ジャガイモ栽培のポイント | |
適齢(1〜2茎期)にあるタネイモを使って強いほう芽をさせ、植え付けを適期に行います。(適齢とは?→クリック) |
施肥は初期(植え付けから着蕾期まで)によく効かせて生育を促進させその後は効きすぎないようにします。 |
植え付け密度を適正にして、茂りすぎて徒長することを避けます。 |
連作はできません。2年以上空けることが望ましいのですが、最低でも1年は空ける必要があります。
耕土が深く、通気性、排水性のよい砂壌土が適しています。また、適度の有機質を含み、養分保持力の大きい土が望ましい土です。
土壌酸度の適応は比較的広いですが、PH6.0〜6.5程度が最適です。
植え付け2週間前に、10m2当たり苦土石灰500g程度を施しよく耕耘、整地しておきます。肥料は、元肥として10m2当たり油かす1.5sと有機配合肥料2s程度を混ぜて与えます。なお、事前に堆肥5s程を施した場合は、元肥の施肥量を約20%程度減らすことができます。
追肥は生育状態を見て、着蕾期(ちゃくらいき)に10m2当たり化成肥料300g程度を株際に与え、同時に土寄せしてやります。(着蕾期とは?→クリック)
植え付ける順序は、畝の真ん中に縦に12〜15p深さに溝を掘り、元肥を入れ、元肥とタネイモが直接触れないようこの上に2〜3p土を戻しておきます。その後、深さ10〜13pくらい(タネイモの厚さの3倍程度)のところに切り口を下にして植え付け、覆土します。
植え付け時期は、春植えでは平均気温が10℃くらいになる2月下旬〜3月上旬が適期です。秋植えは平均気温が23℃くらいの頃に植え付けます。
この時期に植え付けると、春・秋植えとも開花始めが、開花適温18℃前後にあたります。
なお、秋植えは霜の降りる前に収穫する必要があるので、大阪では8月下旬〜9月上旬に植え付けます。しかし、このころは平均気温が高いため平坦部では少し栽培が難しく、収量も春植えに比べて少なくなります。
茎葉の生長が停止する時期の葉面積指数が3〜4前後になるように、畝幅・株間を決めます。一般的には畝幅70〜75pです。(葉面積指数とは?→クリック)
株間は、男爵のように早生でイモがかたまって付く品種では25〜30p、メークインのような中晩生でイモが枝分かれして付く品種では35〜40pとします。密植すると地温が上がらず収量も少なくなります。
初期生育はタネイモの養分に負うところが大きいため、タネイモの大きさは30〜40g必要です。それより大きいイモは切断して使用します。
切断の方法は、イモの頂部(この附近に芽がたくさんついている)と基部(ふく枝のついていたところ)を結ぶ線で縦割りにします。
切断の時期は、春植えの場合は植え付けの直前でもよいのですが、できるだけ2〜3日前に切って、切り口を乾燥させておきます。秋植えの場合は、気温・地温の高い時期に植え付けるので切り口が腐りやすいため、芽の出ていないタネイモを切らずに丸ごと植え付けます。
また、大きいタネイモは7〜10日前に切断し、切り口を十分乾燥させてから植え付けます。
植え付けた後の生育促進と、春からの雑草の発生を防ぐためにマルチ栽培をお勧めします。植え付けた後すぐに、表面をきれいにならして全面に黒マルチを張ります。
なお、マルチ栽培では、ほう芽(植え付けから約1ヵ月後くらい)の状態に注意し、芽が出たら直ちに穴を空け芽を伸ばしてやります。遅れると芽がいたむので気を付けてください。
草丈が10p程度に伸びた頃に、強い芽を1〜2芽残し、弱い芽を掻き取ります。そうすると大きなジャガイモの収穫が期待できます。
ジャガイモは地上部最大期以降ならいつでも収穫できますが、十分成熟させたほうが収量もでん粉含量も多くなり、品質のよいものが収穫できるので、タネイモを植え付けてから3ヵ月〜3ヵ月半以降の、茎葉が黄変したころが収穫適期です。
収穫はお天気のよい日を選び、イモの皮を傷つけないようていねいに行います。収穫したイモは、1週間程度日陰の風通しのよいところに広げて乾燥させ、その後日光の当たらない暗いところに貯蔵します。
マンション暮らしなどで畑がないからといって、ジャガイモの栽培をあきらめてはいませんか。古い肥料袋や少し厚い黒のポリ袋の底に、排水のために数ヵ所穴を空け、この中に土を入れてタネイモを植え付けても十分栽培できます。一度挑戦してみてください。