ジャガイモの生理と生態

タネイモとほう芽

 ジャガイモは地下部の茎が肥大して塊状になったもので塊茎といいます。ふく枝(ストロンとよばれる細い茎)のついていた側を基部、その反対側を頂部といい、頂部側のほうに芽が多く集まっています。

 成熟したイモは、収穫後3〜4ヵ月はほう芽(芽がでること)に適した環境になってもほう芽しません。ほう芽に適した環境になると初めは頂部優勢が現れて、頂部から太い芽が出始めます。頂芽(ちょうが)だけが伸びる時期を1茎期(1けいき=1齢期)といい、周りの芽が出始めたときを2茎期(2齢期)、3茎期(3齢期)と呼びます。タネイモには1〜2茎期になったもの(これを適齢といいます)を用いることが大切です。

 なお、収量を重視するなら若齢のタネイモを、収量より肥大の早さを重視するなら齢の進んだタネイモがよいといわれています。


茎葉の生長 

 芽は気温10℃前後から動き始めますが、ほう芽茎が土を破って地上に現れるまでに約1ヵ月かかります。

 全体の30%がほう芽したときをほう芽期、その後ほう芽した茎が急速に伸び、約25日で茎の先端に第1花房の蕾が見えてくる時期を着蕾期(ちゃくらいき)といいます。

 着蕾期から約2週間で開花が始まり、その後2週間ほどで茎の長さ、葉の数、葉の面積などの地上部が最大期となります。ついで下葉から次第に黄変し始め、茎葉は枯れ、収穫期になります。


イモの着生と肥大

 土の中にあるほう芽茎の基部5〜8節にふく枝(ストロン)が発生し、その先端に塊茎が分化、肥大します。イモは着蕾期のころから肥大し始めますが、地上部最大期には最終の大きさのおよそ半分に達し、このころ肥大がもっとも盛んに行われます。その後、次第にゆるやかになり肥大は茎葉が枯れるまで続きます。


生育診断 


よい生育
とは、以下のようなものを指します。

主茎の基部が太く、節間がつまっていて各節から充実した側枝が発生している。
葉は主茎の中ほどにつくものが大きく、それより下あるいは上につく葉との差がきわだっている。
第1花房が大きく勢いがあること。
第1花房より上の葉が伸びすぎず、茎葉の生長が停止する時期の葉面積指数(一株に着いている葉の面積を合計した数値をその株が占有している土地面積で割った値)が3〜4程度である。



一方、悪い生育とは、以下のようなものを指します。

主茎の根元が細く、節間が長い。
側枝は各節から出ているが、徒長していて弱々しい。
主茎の各節の葉は全体に小さいうえに上中下で葉の大きさに差がない。
第1花房の勢いが弱く、それより上の葉数が多く、茎は細く節間も長い。