トマトの栽培

畑で完熟し赤く色づいたトマトの味は最高のぜいたくです。ぜひ、子どもたちや孫たちに家庭菜園の完熟トマトのおいしさを味わわせてあげてください。

土づくり

元肥は102あたり有機配合肥料1sを目安にします。元肥にチッソ成分が多すぎると初期生育が旺盛になり、茎ばかり太くなって第1〜第2段の花が落ちやすくなるので、元肥のチッソはひかえ目にします。また、畝立て前にできるだけ深く耕やし、耕土が浅い場合や地下水位が高い畑では畝を高くします。

大切な苦土石灰

トマトには、石灰が欠乏すると尻腐れ病が出やすいので、堆肥を入れるときに必ず102あたり1.5〜2sの苦土石灰を入れます。

植え付け

1段目の花が1〜2花咲き始めた苗を選んで、よく晴れた暖かい日に定植します。

植え付け後の注意

植え付けてから根づく(活着する)まで4日ほどかかるので、それまでは日中しおれないように、こまめにかん水をしてやることが大切です。活着後はできるだけ水をひかえて、根が地中深く入るようにに心がけ、上根になるのを防ぎます。

植え付けのコツ

一般的にトマトは8枚目と9枚目の葉の間に1段目の花房をつけます。その後、花房から見て左・奥・右と90度ずつ方向を変えて3枚の葉がつき、3枚の葉の次に90度ずれて2段目の花房がつきます。このため、1段目の花房を通路側に向けて定植すれば、その後の花房も必ず通路側につき、収穫のとき便利です。

ホルモン処理

1段目の花を必ず着果させるためにホルモン処理をします。1段目の花が2〜3花咲いたときがホルモン処理(トマトトーン)の適期です。
つぼみを含む花房全体に、トマトトーンをそのときの気温の5倍の濃度を目安に薄めて噴霧します(20℃なら100培)。噴霧の際、生長点にホルモン剤がかかると柳のような細葉が出ることがあるので、手で花房を包むようにして花房にだけたっぷりと噴霧します。
なお、二度がけは絶対に禁物です。

わき芽摘み

生長するにしたがって葉のつけ根からわき芽が出ます。これを早めに摘み取り、主枝1本仕立てにします。わき芽を伸ばしておくと光の透過や風通しが悪くなり、病害虫発生の原因にもなります。また、不要なわき芽に余分な栄養がいき、実の肥大も遅れます。

摘 果

後半の収量および秀品率をアップさせるために、実を摘果することも大切です。多いときには1つの果房に10個くらいの実をつけます。1段目と2段目の果房には3〜4個、3段目以降の果房には5個くらい残すようにして摘果してください。大きさがそろい、形のよいものを残します。1株で25〜30個程度の収穫を目標にします。

草 姿

標準的な草姿の形は、1段目の実を収穫する頃に5段目の花が咲いている状態です。

摘 心

最終の収穫予定の段(普通は5〜6段)の花房がつけば、上の葉を2〜3枚残して摘心すると、上段の実の肥大がよくなり熟期も早まります。トマトは開花後約2ヵ月で収穫できます。

摘 心

最終の収穫予定の段(普通は5〜6段)の花房がつけば、上の葉を2〜3枚残して摘心すると、上段の実の肥大がよくなり熟期も早まります。トマトは開花後約2ヵ月で収穫できます。

病気と予防

もし、実に尻腐れ病が発生したら、その実を取り除き、周辺の葉3枚に塩化カルシウムの200倍液を葉面散布して、これ以上発生しないように予防します。
葉を摘み取ることで、カルシウム不足からおこる尻腐れ症状を抑えることができるという報告があります。この方法は、1枚おきに葉の半分を切り取り、葉で使うカルシウムを減らし、少しでも果実にまわそうという考え方です。
また、果房から見て一番奥の葉を1枚摘み取ると、尻腐れが少なくなるという報告もあります。まだこの方法を試したことはありませんが、今年は一度やってみようと思っています。

追 肥

1段目の実が10円玉くらいの大きさになった頃に、1回目の追肥を施します。以降3段目、5段目の実がそれぞれ10円玉くらいになった頃に2回目、3回目の追肥を忘れないように施しましょう。追肥の量は、有機配合肥料を1株あたり毎回25gを目安にしてください。

かん水

過度のかん水は逆に根を痛めてしまい、収量が伸びないので注意します。糖度の高いトマトをつくるにはできるだけかん水をひかえ、かん水量も1株あたり1回500tまでに抑えて栽培します。

収穫と完熟

トマトは完熟させてから収穫しましょう。まだ青いうちから収穫しても、室温に置けば追熟して赤くなりますが、株で完熟させたトマトと比べるとおいしさの成分が半分くらいしかありません。赤く完熟した家庭菜園のトマトの味は最高のぜいたくです。