ピーマン(シシトウ)の栽培

ピーマン(シシトウ)はトウガラシの仲間で、辛味がなく実が大きいものにつけられた名称です。収穫期も長く、2〜3本植えておけば家族全員で楽しめる重宝な野菜です。

定植適期

果菜類の中では一番低温に弱く、最低気温10℃、地温15℃が保たれる5月中旬頃が定植の適期です。

苗選びと定植

植え付け適期の苗は、1番花が開花する直前の苗です。こんな苗を植えると、活着と同時に1番花が開花してすぐに実をつけ、その後の生育も順調に進みます。若苗や老化苗を植えると、葉ばかりが茂り過ぎたり活着不良になりやすく、その後の管理がむずかしくなります。適期の苗を選び、株間45pの1条植えにします。

施 肥

通気性のよい土をつくり、元肥として102あたり2sの有機配合肥料を施し、追肥は1番果の収穫時期に102あたり300gの有機配合肥料を与えます。その後も15日間隔で、同じ量の追肥を与えます。

整 枝

1番花の下から出た2本の枝を残して「3本仕立て」にします。生育中は混み合う枝を間引き、余分な葉は適宜摘み取ります。花のついた下から2本の枝が出るので、太い枝を残して細い枝を切り取りながら整枝していきます。

高温乾燥期の対策

梅雨明けまでに草勢を強くする気持ちで早め早めに追肥を与え、夏場の高温乾燥期に備えます。ピーマンは浅根性で乾燥に弱いため、高温乾燥期になったら十分にかん水し、マルチや敷きワラなどで乾燥と地温の上昇を防ぎます。シシトウの甘味種でもときどき辛味が出ることがあります。これは品種の遺伝的なことが原因になる場合もありますが、かん水不足も原因の一つです。

収 穫

ピーマン・シシトウは、各節ごとに花が咲き次々と収穫できます。6〜8月は花が咲いてから約20日後、9月以降は約30日後が収穫適期です。霜が降りて凍るまで長期間収穫でき、鈴なりに収穫しきれないほど実をつけてくれるありがたい野菜です。

病気と予防

夏場に多く発生する尻腐れ病は、乾燥やチッソ肥料過多によるカルシウム不足が原因です。堆肥を施すときに、102あたり1sの苦土石灰を入れておきます。また、尻腐れ病が発生した場合は、カルシウムを葉面散布し、さらに十分にかん水してやることです。