ナスの栽培

青枯れ病や半身いちょう病などの土壌病害を防ぎ収量を増やすために、接ぎ木した苗が普及しています。家庭菜園でよい収穫を得るためには、接ぎ木苗を購入して栽培することをおすすめします。

連作障害

ナスは2〜3年続けて連作すると連作障害を起こしやすい野菜です。ナス科の野菜(ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなど)を3年以上栽培していないところでつくります。

植え付け

植え付けるのに適した苗は、1番花のつぼみがふくらんで紫色に着色し始めた頃のものです。つぼみの小さな若苗や1番花が咲き終わっているような老化苗は避けましょう。接ぎ木苗を使う場合は、植え付けるときに接ぎ木部分が土中に隠れないように気をつけます。

土づくり

ナスは比較的乾燥に弱く、保湿性の高い重たい土を好むので、堆肥をたっぷり入れ保水力を高めておきます。

施 肥

元肥は他の果菜類より多めに、有機配合肥料を102あたり2〜3s与えます。
また、ナスは養分を大変多く吸収するので、肥料を切らさないようにこまめに追肥してやる必要があります。花が茎の先端近くに咲いたり、葉が黄色がかってくるのは肥料不足です。追肥は有機配合肥料を1株あたり30gずつ、1番果の収穫時期とその後は15日間隔を目安にしながら与えますが、草勢を見て調整することが大切です。

整 枝

家庭菜園での整枝は、1番目の花が咲く主枝とその上から出る枝、そして1番目の花のすぐ下から出る枝の3本を伸ばして「3本仕立て」にする方法がひとつ、それから1番目の花が咲く主枝とその上から出る枝、さらにこれらの枝から出る側枝を1本ずつ伸ばす「4本仕立て(V字型整枝)」にする方法があります。
いずれもその下から出るわき芽は順次摘み取ってしまいます。台木のわき芽も摘み取ることを忘れないようにしてください。

着 果

初 初期の草勢のバランスをとるためには、1番花を確実に着果させることが大切ですが、定植後から6月下旬まではまだ夜温が低く着果しにくい時期です。このため3〜5番花までは、確実に着果させるためホルモン処理(トマトトーン)をします。なるべく午前中、そのときの気温の5倍の濃度を目安に薄めたトマトトーン(例えば15℃なら75倍)を、その日に開花した花とつぼみを含む花房をめがけて噴霧します。
このとき、まわりの未発達なつぼみや芽や幼葉にかからないように気をつけます。着果後は花弁を抜き取り、1〜3番果まで順調に着果させると草勢が落ち着き、成りぐせがついてその後のホルモン処理は必要ありません。

花を調べる

むかしから「親の意見となすびの花は 千にひとつの無駄がない」といわれますが、本当でしょうか。ナスの花はオシベよりメシベが飛び出ているほう(長花柱花)が良く、逆にオシベよりメシベが引っこんでいる花(短花柱花)は、花色がうすく栄養状態の悪い小さな花で、結局は花ぶるいして落ちてしまいます。よく観察してください。

収穫の目安

開花後15〜20日で重さ80g程度で収穫します。家庭菜園では長卵形のナス(千両2号など)は1株で100〜150個の収穫を目標にします。老人大学の学生に発泡スチロール箱(長さ60p×幅35p×深さ25p)で151個も収穫した人がいます。

収穫のし方

1番花の果実を、もったいないといってそのまま大きくしてしまうと株に負担がかかり、その後の生長が悪くなるので、思い切って卵大の大きさになったときに収穫してしまいます。
その後の果実も、大きくなりすぎないうちに収穫しないと花つきが悪くなるので適期になればこまめに収穫しましょう。また、日中の温度の高い時間に収穫すると鮮度が落ちるので朝か夕方に収穫します。

夏の手入れ

梅雨の明ける7月中旬以降は、実のつき過ぎによる草勢低下と葉の茂り過ぎによる着色不良果の発生がおこりやすくなります。日の当たらない中のほうの枝や下部の細かい枝はこまめに取り除き、また古い葉やいたんだ葉は摘み取って、株全体に光がよく当たるようにします。高温乾燥で草勢が弱った場合はかん水をこまめにし、追肥の間隔を短くして草勢を回復させてください。

夏季剪定

7月下旬〜8月上旬の収穫最盛期には、もったいなくて勇気がいりますが、何本かの株を思い切って更新剪定し、秋ナスを収穫できるようにします。

ソルゴーの活用

緑肥作物(肥料用の作物)のソルゴーをナスの周辺に障壁として栽培して、ナスのアブラムシやアザミウマなどの害虫の発生を抑える方法があります。
アブラムシの天敵クサカゲロウがソルゴーにつくアブラムシを食べて繁殖し、ナスについたアブラムシやアザミウマを食べて被害を防いでくれるのです。これは、ソルゴーにつくアブラムシがナスにはつかないことを活用した方法です。なお、ソルゴーは出穂直前に穂を刈り取って、タネが飛び散らないように気をつけます。