キュウリの栽培

とりたてキュウリのみずみずしさと歯切れのよさは、夏野菜の代表格です。まっすぐなキュウリも曲がったキュウリも味に違いはありません。

元 肥

元肥として、有機配合肥料を102あたり2sを目安に入れます。

草 姿

本葉3〜3.5枚の苗が植えつけ適期の苗です。よい苗は、茎と葉柄との角度が約45度で葉が垂れず水平になっているもの、葉柄が比較的短くて葉脈が太く、葉の周囲の切れ目が深いものです。
肥料が多すぎたり日照が不足すると、葉柄の角度が開いて葉が下がり気味になり、肥料不足の場合は葉柄の角度がせまくなって葉色がうすくなります。また、夜温が高すぎると節間や葉柄が伸びすぎて長くなります。

定植時の工夫

キュウリは苗を植えるだけでなく、直接畑にタネをまいて育てることも可能です。苗を植えるときにできるだけ株間を広く取っておき、苗が活着した頃に苗と苗の間にタネをまくと、苗で植えたキュウリの収穫が終わる頃から、タネをまいたキュウリの収穫が始まり長く楽しむことができます。

定 植

定植前に苗の植わっているポットにたっぷりかん水しておき、1本仕立てで65〜70pの株間で定植します。定植後は極端にしおれさせることのないように、こまめにかん水して活着を促します。活着後は、本葉が15枚程度になるまでは水をひかえ目にして根を深く張らせます。こうすると、気候変化に左右されにくく、つるがよく伸びたよい株に育ちます。

葉の生長

キュウリの葉は開き始めておおよそ20日くらいで面積が最大になります。
1枚の葉でみると、開き始めた葉はすでに開いている他の葉から生長に必要な養分を受け取って展開し、展開がすすむと、後から開いてくる葉や実などに養分を送り込むようになります。したがって、葉が規則正しく次々と開いていくことが、キュウリの順調な生育を促す大きな要因なのです。
このため、収穫が始まる頃からは、通風と採光をはかり新葉の発生を促すために、いたんだ葉や重なっている葉をこまめに摘み取ります。

摘 心

キュウリは雄花と雌花が別々に咲く野菜です。雌花は親づるには飛び飛びにつき、子づると孫づるの第1節には必ずつくので、子づると孫づるを葉を2枚残して摘心します。なお、1本仕立ての場合、株元から30p程度の高さ(1〜5節)までに出る側枝と花は早めに取り除きます。親づるに3割、子づると孫づるに7割程度の実をつけ、1株から25〜30本の収穫を目標にします。

病気と予防

キュウリは病気にかかりやすい野菜です。とくに梅雨になると、雨で土がはねかえって葉の裏側につき、病気が発生しやすくなります。薬剤散布だけではなく、土のはねかえりを防ぐためにマルチ栽培をするか株元に敷きワラをしてやります。マルチや敷きワラは地温の上昇を防いで株を保護し、乾燥も防いでくれます。乾燥するとうどん粉病が発生しやすく、発生すると株全体に広がりやすいので、小麦粉をつけたように白くなりかけた葉を見つけたら、こまめに摘み取って病気の蔓延を防ぎます。

かん水と追肥

乾燥や肥料切れはキュウリの生育を弱め、実が曲がったり先が細くなったり、苦みのある不良果が増える最大の原因になります。このため、収穫開始頃から定期的に追肥とかん水を行います。また、肥料切れを起こすとべと病などの病気も出やすくなります。
追肥は、有機配合肥料を102あたり200〜300gを目安に、10〜15日間隔で与えます。そして、追肥後に雨が期待できないときは、必ずかん水してやります。なお、追肥は根いたみを防ぐため、2回目は1回目より株元から離れたところに与え、以降も順次離れたところに与えます。
つるの先端が収穫できる状態になった実から140p、開花中の花から50pくらいのところにあるのが、順調に生育している株です。

収 穫

実の肥大は開花後3日目くらいから10日目くらいまで急速に進み、30日くらいで最大になります。おいしいキュウリを食べるためには、開花から10日前後、長さ約20p、重さ90〜110gまでに収穫しましょう。