スイートコーン(トウモロコシ)の栽培 | |
スイートコーンは、収穫すると時間の経過とともに甘みが落ちます。収穫したてをゆでた味は格別で、食べた人から「こんなおいしいトウモロコシを食べたのは初めてです」という、期待どおりの感想を聞くことができます。 |
トウモロコシにはおもに飼料用に利用されるデントコーン、飼料や工業用原料に利用されるフリントコーン、菓子用に利用されるポップコーン、もちや工業原料に利用されるワキシーコーン、甘味種と呼ばれ生食用のスイートコーンなどの種類があります。
昭和46年に甘みの強いスーパースイート系の品種が開発され、さらに昭和60年には黄・白の2色粒品種、平成10年には黄・白、紫の3色粒品種が登場し、高食味のスイートコーンの品種が次々と開発されています。
甘みの強い品種ほど、種子内のでん粉質が少なく発芽率が劣る傾向にあるので、これらの品種はやや多めにタネをまきます。
タネまきは5月上旬。30p間隔に2〜3粒まき2pくらい土をかぶせます。発芽して本葉2〜3枚の頃、元気な苗を1本残し他はぬき取ります。
スイートコーンは自株の雄穂で受粉することはほとんどなく、他の株の雄穂の花粉で受精する(他花受粉)ので、1条に長く植えるより2条植えにし、2畝を使って正方形に植えるほうが受粉しやすく充実した実ができます。また、植え付け本数が多いほどよく、最低でも20本以上植えるようにします。
スイートコーンにはできるだけ肥えた土がよく、肥料を好むので元肥として有機配合肥料を10m2あたり2s程度与えます。追肥は5月下旬と雄花の咲く前の6月中旬の2回、有機配合肥料を10m2あたり1sずつ与えます。
草丈が30〜40pになった頃、中耕、土寄せをして、倒伏防止のために支柱をたててやります。
株元から何本かの茎が出るので、これを取り除く(除けつ)栽培方法もありますが、根元から出た茎を残す栽培(無除けつ)が基本です。無除けつ栽培は省力になるだけでなく、根の量と葉面積が増えて増収と倒伏防止の効果があります。
出穂の前後はとくに多量の水分を必要とするので、この期間は十分なかん水を行うことが大切です。
通常の品種では2つ以上の雌穂が出ます。出荷用に栽培するときは、一番上の雌穂だけを残し他は早めに取り除きますが、家庭菜園の場合は、2番目の雌穂もつけて栽培しても、ある程度の収穫が期待できます。
スイートコーンでは、アワノメイガという害虫が大敵です。雄穂出穂期から雌花開花期にかけて、殺虫剤を1回だけ散布するとかなりの効果があります。
タネをまいてから85日前後、開花後20〜25日で収穫できますが、雌穂の絹糸がこげ茶色になった頃が適期なので、穂の皮を少しむいてみて先端の3〜5pの間の粒が黄色くなっていたら収穫します。