『中国古典文学挿画集成(九)小説集〔三〕』
本体49,000円+税
ISBN978-4-86361-027-9
B5判上製貼箱入/約488頁
万暦時代、金陵版画の実力を卓然と示す
歴史演義小説の挿絵作品群を一挙公開!
【刊行のことば 編者:瀧本弘之】
今回は中国版画史において「光芒万丈(こうぼうばんじよう)」(鄭振鐸の言)といわれる万暦時代、中でもその皮切りとなる「金陵派」の代表作をまとめた。『東西両晉志傳題評』『唐書志傳題評』『南北両宋志傳題評』である。『東西両晉志傳題評』は三国志演義の取り扱う後漢―魏の時代に続く、東晋の武帝(司馬炎)以後の出来事を演義として述べ、『唐書志傳題評』はその後に続く隋から唐の建国と李世民(太宗)の活躍、そしてその後が趙匡胤の登場する『南北両宋志傳題評』となる。連続する歴史演義小説の挿絵を金陵派の代表画家の作品によって、東晋から北宋まで連続して観賞することが叶った。
今回は静嘉堂文庫に秘蔵される中村敬宇旧蔵本の『唐書志伝演義題評』の精緻な作品を公開できたこと、また日本には未知だった馬廉旧蔵本の『東西晋演義伝題評』を北京大学図書館の好意で影印できたことが大きい。大判の画面から、金陵派画工・王少淮の躍動する筆遣いを感じ取ってほしい。
【構成】
①唐書志傳題評
[新刋出像補訂叅采史鑑]
- 唐書志傳通俗演義題評八卷八十九節
- 万暦二十一年(一五九三)序刊
- 王少淮絵像・唐氏世徳堂刊本
- 静嘉堂文庫蔵(中村敬宇旧蔵本)
②南北兩宋志傳題評
[新刋出像補訂叅采史鑑]
- 南宋志傳通俗演義題評十卷五十回
- 北宋志傳通俗演義題評十卷五十回
- 万暦二十一年(一五九三)序刊
- 王少淮絵像・唐氏世徳堂刊本
- 国立公文書館内閣文庫蔵
③東西兩晉志傳題評
[新鍥重訂出像註釋]
- 通俗演義西晉志傳題評四卷百十七則
- 通俗演義東晉志傳題評八卷二百三十二則
- 唐氏世徳堂刊・周氏大業堂逓修本
- 北京大学図書館蔵(馬廉旧蔵本)