ナスのお手入れ
4月
苗の選定と植え付け

 植え付ける時の苗は1番花のつぼみが膨らんで、紫色に色づきはじめた頃です。
 つぼみのちいさな若苗やすでに1番花が咲き終わっているような老化苗は避けましょう。

 なお、植え付け時に株元にたっぷり水かけをすることが、早く根付かせ初期生育を早めるうえで大切です。

 

5月
3本仕立てか4本仕立て
 ナスの整枝には、1番目の花が咲く主枝とその上から出る枝、それに1番目の花のすぐ下から出る枝の3本を伸ばして3本仕立てにする方法と、1番目の花が咲く主枝とその上から出る枝、さらにこれらの枝から出る側枝を1本ずつ伸ばす、4本仕立ての2つの方法があります。どちらの方法でも良いと思います。

 伸ばしたい枝の下から出るわき芽は順次摘み取ります。接ぎ木苗の場合は台木のわき芽も摘み取ることを忘れないようにしてください。

 「親の意見となすびの花は、千に一つの無駄がない」といわれますがこれは間違いで、無駄花もできます。実が付く良い花は、メシベがオシベより飛び出ていますが、栄養状態の悪い花はメシベがオシベより引っ込んでいて、最終的には花ぶるいをして落ちてしまいます。

 初期の生育をよくするためには、1番花を実らせることが大切です。しかし、定植後から6月下旬まではまだ夜温が低くて実りにくいので、3〜5番花くらいまではホルモン処理(トマトトーン)をします。
 1〜3番花くらいまでが順調に実ると株の具合が落ち着き、成りぐせがついて、その後のホルモン処理は必要ありません。
 処理の方法はトマトトーンをその時期の最高気温の5倍の濃度を目安に薄めて(例えば15℃なら75倍)、つぼみを含む花房全体に、霧吹きで噴霧します。噴霧するときに、枝の先端にホルモン剤がかかると、柳のような細葉が出ることがありますので、手で花房を包むようにして花房にだけたっぷりと噴霧します。なお、二度がけは禁物です。

 1番花の実を、もったいないといってそのまま大きくすると株に負担がかかり、後の成長が悪くなるので、卵大の大きさになったときに、思い切って収穫します。
 また、収穫が遅れて実が大きくなりすぎると、後の花つきも悪くなるので、適期がくればこまめに収穫しましょう

6月
剪定と収穫

 まずナスの剪定について。実がついたら実の上の葉を1枚残して摘心し、この実を収穫した時に、最も勢いのよい枝を残し、できるだけ主枝に近い枝まで切り戻すとコンパクトな形になります。
 また、古くなった葉や、実に傷をつけそうな葉、勢いの弱い枝、つぼみを持たない枝、混みすぎている枝や葉を取り除いて日当たりと風通しをよくします。

 ナスは肥料食いです。肥料を切らさないように追肥をこまめに与える必要があります。花が茎の先端近くに咲いたり、葉が黄色がかってくるのは肥料不足です。追肥は10日〜15日間隔を目安に、1株あたり30g程度の化成肥料を株のまわりに与えます。

 花が咲いてから15〜20日で収穫できます。1個の重さが80gくらいのときに収穫しないと、その後の花付きが悪くなります。千両ナスで1株100〜150個くらいの収穫を目標にします。
 日中、温度の高い時間に収穫すると鮮度が落ちるので、朝か夕方に収穫しましょう。ナスを栽培する農家では、毎朝日の出前までに収穫をすませています。

 

7月
7月下旬に更新剪定

 ナスはたいそう水分を好む野菜なので、梅雨明け後はこれまで以上にたっぷりと水かけをします。水の便がよいところでは、畝と畝の間に水を入れる「畝間灌水(うねまかんすい)」をすると効果的です。また、収穫した後にこまめに追肥すると、長く収穫することができます。

 ナスの原産地はインドですが、気温がいくら高くてもよいというわけではありません。35℃を越超すような暑さでは極端に収量が落ちてしまいます。しかし8月の下旬ごろから、再び元気になってくれます。

 7月下旬〜8月上旬は収穫の最盛期。小さな実もたくさん付けていてもったいないのですが、この時期に何株かを選んで、各枝に1〜2枚程度の葉を残して短く切り戻す「更新剪定(夏剪定)」をすると、9〜11月ごろに再び秋ナスを収穫することができます。勇気を出して剪定し、秋ナスを楽しみましょう。


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