ハクサイのお手入れ
8月
タネまきは8月中旬が適期
 英語でチャイニーズ・キャベジといい、東洋の代表的な野菜です。わが国には明治の初めに中国から伝わってきました。品種は現在1500以上もあり、結球、半結球、不結球の3つのタイプがありますが、もっともよく栽培されているのは結球タイプのハクサイです。

 タネを直接畑にまく(直まき栽培)方法と本葉4〜5枚の苗を植え付ける(移植栽培)方法とがありますが、栽培本数の少ない場合には苗を購入して育てるほうがよいでしょう。植える時期は8月下旬〜9月上旬です。

 苗を育てる場合は、タネまきの時期を間違えないように気をつけましょう。
 タネの発芽適温は18〜22℃です。その地方の平均気温が15℃になる日の35日くらい前が適期といわれ、関西では8月12日〜9月10日頃になります。

 タネは、植え付け時の植え痛みを少なくするために、直径9cm(3号)のポリポットにまきます。1ポットに2〜3粒まき、直接雨がかからないようにビニールをかぶせ、風通しのよいところにならべて育苗します。

 ひょろひょろ伸びたひ弱な苗(徒長苗)にならないように気をつけ、本葉が出はじめる頃に間引きして1本立ちにします。本葉が4〜5枚(タネまき後20日ほど)になったら、株間(植える間隔)40cm程度で畑に定植します。

 苗を早く活着させその後の生育をよくするために、植える前には必ず畑に十分かん水しておくことが大切です。晴天つづきのときはひと雨待ってから植えるほうが安全です。植え付け後の1週間は、こまめにかん水して根痛みを防ぎ、初期の生育を早めます。
 

9月
追肥は9月末と10月中旬の2回
 9月上旬に本葉4〜5枚の苗を、十分かん水しておいた畝に40cm間隔に植え付けます。ハクサイは乾燥に弱いため植え付け後もかん水に努め、初期の活着を促します。

 また、生育初期に肥料切れを起こすと葉の巻きが弱くなり、しまった球になりません。元肥をしっかり入れ、9月末に畑102当たり1s程度の有機配合肥料(化成肥料と有機肥料を混ぜ合わせた肥料)を、葉が巻き始めた10月中旬に102当たり500gの有機配合肥料を、それぞれ株と株の間に追肥として与えます。

10月
2回目の追肥
 2回目の追肥は、葉が巻き始める10月中旬です。

 畑102当たり500gの有機配合肥料を、株と株の間に与えます。

11月
「心腐れ」「ゴマ症」の原因

 頭を押さえてみて堅くしまっているものから収穫します。収穫は、球を少し斜めに押し倒し、結球葉と外葉の間に庖丁を入れて切り倒します。

 球内部の結球した葉の先端が褐変する症状、「心腐れ」が発生している場合があります。これは石灰の欠乏が原因ですが、極端に乾燥したりチッソ肥料が多すぎたときに発生が多くなるといわれています。

 また、結球した葉の白い軸の内側に、黒色の小さなゴマのような斑点が発生する「ゴマ症」になることがあります。これは、チッソ肥料のやりすぎと肥料のやり遅れが原因だといわれています。

 「心腐れ」と「ゴマ症」は生理的な障害で、外観からはわかりません。日頃から有機物を投入し、しっかり土づくりをすることと、適正な肥料の与え方が大切です。


12月
畑のまま、外葉で球を包んで保存

 5℃以上あれば冬季でも生育を続け、1〜3月でも収穫することができます。

 しかし、5℃以下になると生育を停止し、−8℃以下になると凍害にあいます。また、急激に夜温が低下したときは、−3℃でも凍ることがあるので気をつけます。

 なお、収穫期に入ったハクサイは、霜によって球の上部が被害を受けて黒変することがあるので、外葉で球を包むようにしてわらやヒモでゆるくしばっておくと、寒さに耐えて遅くまで畑におくことができます。


 
野菜の種類別
インデックスへ
果樹の種類別
インデックスへ
草花の種類別
インデックスへ
TOPページへ  
Copyright(c) Banraisha,Ltd. All rights reserved
万来舎HPへ